2024年8月28日、東京大学大学院工学系研究科の野崎京子教授らの研究グループが、大気中の二酸化炭素(CO₂)と植物由来のイソプレンから、新しいプラスチックの原料となる「6員環ラクトン(COOIL)」を効率的に合成することに成功しました。成果は英国の科学誌『Nature Communications』に掲載されました。
化石資源に頼らないプラスチック合成の実現
従来のプラスチックは石油などの化石資源から作られるため、資源の枯渇や地球温暖化が課題でした。今回のCOOILは、二酸化炭素と植物由来のイソプレンという100%再生可能資源由来の材料で合成されており、化石資源に依存しないプラスチックの実現に向けた大きな一歩です。
特に、イソプレンは植物が毎年大量に放出する物質で、二酸化炭素やメタンに次いで大気中に多く存在します。この豊富な資源を活用することで、環境負荷を大幅に減らすことが期待されます。
柔軟性のある新素材「ポリ(COOIL)」の可能性
研究グループは、パラジウム触媒の水分量を厳密に制御することで、これまで微量しか得られなかったCOOILを効率的に合成する手法を確立しました。このCOOILを重合して得られる**ポリ(COOIL)**は柔らかい性質を持ち、コーティング剤などへの応用が期待されています。
将来的には、合成プロセスのさらなる効率化により大量生産が可能となり、二酸化炭素を削減するカーボンネガティブ素材として注目されるでしょう。
環境配慮型プラスチック製造企業として
当社はこれまで、再生プラスチックを活用したプラスチックカードやメンバーズカードを通じて、持続可能な社会への貢献を目指してきました。今回の研究成果は、未来のプラスチック産業がさらに環境負荷を減らし、循環型社会に近づくための大きな希望です。
新しい技術によって、CO₂を原料としたプラスチックが普及すれば、各種カード製品の素材選択肢も拡がり、環境負荷のさらなる低減が実現できます。
私たちも引き続き、再生プラスチック製品の開発・提供を通じて地球にやさしい製品づくりに取り組んでまいります。